防災・減災

概要

北陸地域では、近年重大な災害は発生していないが、地震(津波)・豪雨・台風・融雪・原子力災害等は予見される災害として存在し、少し過去に遡ると、台風・梅雨時期の豪雨による河川災害(土砂災害・大洪水)と地震災害は比較的頻発しています。実際、1858年の飛越地震に伴う「鳶山崩れ」による土石流被害(富山平野)や、1934年の手取川大洪水などでは大きな被害が生じています。

本「防災・減災」プロジェクトでは、平成29年度設置の寄附講座を軸として、洪水・土砂災害の中でも、多くの人々に影響を与える河川災害(大洪水)・土砂災害(砂防災害を含む)に注目し、 時間的にも、金銭的にも大きなコストが必要なハード面での対策ではなく、ソフト面に重点を置いた研究を進めます。具体的には、横断的な災害関連情報の集約と分析、シミュレーションを行うと共に、災害の発生前後における防災対策の立案とその実施主体の明確化、並びに実施主体間の相互連携強化の仕組みづくりとその社会実装を目指します。

また、本学が立地する金沢は、北陸新幹線の金沢開業を受け、ますます国際観光都市としての期待・立場が強まっており、外国人観光客等を含めた非居住者(来街者)を考慮した防災・減災対策も重要です。また、高齢化が進む中で、要介護・要支援などの移動弱者への配慮も必要です。そこで、多言語化対応とICT技術を活用して非居住者や移動弱者を含めた防災・減災対策の社会実装支援システムの研究にも重点を置きます。