観光全般

概要

2020年の東京オリンピックを目前に控え、インバウンド観光の拡大など、観光業界では大きな転機を迎えています。しかし、観光業の現場では、科学的根拠・データに基づいた有効な観光施策の立案を行う事ができていません。

「モバイル空間統計」などで、マクロな観光動態の把握はある程度可能ですが、ミクロな観光動態については、まだまだ課題が多くあります。現状のミクロな観光動態調査の手法として、アンケート・GPSなどがありますが、サンプルに偏りがある、期間が限定される、精度が粗い、などの課題が残されており、有効な観光施策の立案に必要な情報が不足しているためです。

そこで、本研究プロジェクトでは、最新のICT技術を活用して、インバウンド旅行者の動きを把握する仕組みを開発します。さらに開発する技術についての効果的な社会実装の方法を検討した上で、実際の政策立案や観光マーケティングへの応用を試み、活用の場の拡大に向けて将来的な展開可能性や課題の実務的な利用を通じてノウハウの蓄積を図ります。

本研究成果によって、1:混雑状況や気象条件などに応じたリコメンドなどの手段を通して個々の旅行者の満足度の向上と都市における交通・観光資源などのリソースを最適化することが可能となり、2:旅行者の動きが産業(特にサービス業)に与える影響・インパクトを分析し、地域内で提供されるサービスの過不足や効率を分析して改善につなげるPDCAを実現でき、3:旅行者の動きの結果生じる経済効果などをリアルタイムに分析できる体制を整え、自治体等が実施する各施策の投資対効果(ROI)を検証できる、などの成果還元が可能です。